業務等のご案内

業務等のご案内

第1 公嘱協会の設立と業務内容

■ 本協会の設立とその目的
官公署等が行う不動産の権利に関する登記の嘱託又は申請の適正かつ迅速な実施に寄与することを目的とし、法務大臣の許可を得た民法上の公益社団法人して、昭和61年にそれまでの「公共嘱託登記委員会」を解消し、設立されました。
■ 本協会が扱っている主な業務の内容
(1)国、地方公共団体より各種登記の嘱託又は申請並びに権利調査
(2)土地改良法、国土調査法、土地区画整理法、都市再開発法等多数の法令に基づく各種登記の申請
■ 本協会の受託可能な官公署
(1)国又は地方公共団体
(2)司法書士法第68条第1項の政令(司法書士法施行令第4条)で定める公共の利益となる事業を行う者
(3)司法書士法第68条の法令により国又は地方公共団体とみなして不動産登記法が準用される諸団体
※なお、この受託可能な官公署等につきましては、現在改正がなされ、範囲が拡大される予定です。
【関連法令】
◎司法書士法(昭和25年5月22日第197号)
(設立及び組織)
第68条 司法書士及び司法書士法人は、その専門的能力を結合して官庁、公署その他政令で定める公共の利益となる事業を行う者(以下「官公署等」という。)による不動産の権利に関する登記の嘱託又は申請の適正かつ迅速な実施に寄与することを目的として、公共嘱託登記司法書士協会と称する民法第三十四条の規定による社団法人(以下「協会」という。)を設立することができる。
  1. 協会の社員は、同一の法務局又は地方法務局の管轄区域内に事務所を有する司法書士又は司法書士法人でなければならない。
  2. 協会の理事の定数の過半数は、当該協会の社員(当該協会の社員たる司法書士法人の社員を含む。)でなければならない。
  3. 協会は、第二項の司法書士又は司法書士法人が協会に加入しようとするときは、正当な理由がなければ、この加入を拒むことはできない。
(業務)
第69条 協会は、前条第一項の目的を達成するため、官公署等の嘱託を受けて、不動産の権利に関する登記につき第三条第一項第一号から第五号までに掲げる事務を行うことをその業務とする。
  1. 協会は、その業務に係る前項に規定する事務を、司法書士会に入会している司法書士又は司法書士法人でない者に取り扱わせてはならない。
◎司法書士法施行令
(法第68条第1項の政令で定める公共の利益となる事業を行う者)
第4条 法第68条第1項の政令で定める公共の利益となる事業を行う者は、次の各号に掲げる事業について不動産の権利に関する登記を申請しようとする当該各号に掲げる者とする。 
  1. 土地改良法(昭和24年法律第195号)による土地改良事業 土地改良区、土地改良区連合、農業協同組合、農業協同組合連合会 農地保有合理化法人(農業経営基盤強化促進法(昭和55年法律第65号)第4条第2項に規定する法人をいう。以下同じ)であって、民法(明治29年法律第89号)第34条の規定により設立された者又は土地改良法第95条第1項の規定により、土地改良事業を行う同法第3条に規定する資格を有する者
  2. 国土調査法(昭和26年法律第180号)第2条第1項第3号の規程による地籍調査 土地改良区、土地改良区連合、土地区画整理組合、農業協同組合、農業協同組合連合会、森林組合、生産森林組合、森林組合連合会、水害予防組合、水害予防組合連合、漁業協同組合、又は漁業協同組合連合会
  3. 土地区画整理法(昭和29年法律第119号)による土地区画整理事業土地区画整理組合又は同法第3条第1項の規定による施行者
  4. 新住宅市街地開発法(昭和38年法律第134号)による新住宅市街地開発事業同法第45条第1項の規定による施行者
  5. 公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律(昭和42年法律第110号)第28条第1項第1号から第3号まで及び第5号の事業 独立行政法人空港周辺整備機構
  6. 都市再開発法(昭和44年法律第38号)による市街地再開発事業市街地再開発組合又は同法第2条の2第1項若しくは第3項の規定による施行者
  7. 農業経営基盤強化促進法第4条第2項に規定する農地保有合理化事業、その他の農地保有の合理化に関する事業で農業振興地域の整備に関する法律(昭和44年法律第58号)第6条第1項の規定により、指定された農業振興地域の区域内において行われるもの 農地保有合理化法人であって、民法第34条の規定により設立されたもの(農地保有合理化事業にあっては、当該法人又は農地保有合理化法人である農業協同組合)
  8. 農住組合法(昭和55年法律第86号)第7条第1項第1号又は第2項第3号に規定する事業 農住組合
  9. 密集市街地における防災地区の整備の促進に関する法律(平成9年法律第49号)による防災街区整備事業 防災街区整備事業組合又は同法第119条第1項若しくは第3項の規定による施行者
  10. 独立行政法人緑資源機構法(平成14年法律第130号)第11条第1項第1号から第3号まで及び第6号から第9号までの事業 独立行政法人緑資源機構
  11. 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法(平成14年法律第180号)第12条第1項第1号から第6号まで及び第11号並びに第3項の事業 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構
  12. 独立行政法人水資源機構法(平成14年法律第182号)第12条第1項第1号から第3号まで及び第2項の事業 独立行政法人水資源機構
  13. 独立行政法人都市再生機構法(平成15年法律第100号)第11条第1項第1号から第16号まで並びに第2項及び第3項の事業 独立行政法人都市再生機構(土地区画整理法第3条第1項、都市再開発法第2条の2第1項又は密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第119条第1項の規程による施行者である場合を除く。)

第2 契約の締結に関する法令

■ 随意契約に関する条文
以下の官公署は、以下の場合において随意契約することができます。
1 地方公共団体
(1)少額随意契約
地方自治法施行令第167条の2第1項第1号の規定による売買、貸借、請負その他の契約でその予定価格が地方自治法施行令別表第5上欄に掲げる額の範囲内において、地方公共団体の規則に定める額を超えないものとするとき。
都道府県及び政令指定都市・・・・100万円
市町村(政令指定都市を除く)・・・50万円
(2)不適条項
地方自治法施行令第167条の2第1項第2号の規定による「契約の性質又は目的が競争入札に適しないものをするとき。」
2 国
(1)少額随意契約
会計法第29条の3第5項、予算決算及び会計令第99条7号、第102条の4第7号により、工事又は製造の請負、財産の売買及び物件の貸借以外の契約でその予定価格が100万円を超えないものをするとき。
(2)不適条項
会計法第29条の3第4項、予算決算及び会計令第102条の4第3号により、契約の性質若しくは目的が競争を許さない場合又は緊急の必要により、競争に付することができない場合において随意契約によろうとするとき。
【関連法令】
◎地方自治法(昭和22年4月17日第67号)
(契約の締結)
第234条 売買、貸借、請負その他の契約は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約又はせり売りの方法により締結するものとする。
  1. 前項の指名競争入札、随意契約又はせり売りは、政令で定める場合に該当するときに限り、これによることができる。
  2. 普通地方公共団体は、一般競争入札又は指名競争入札(以下本条において「競争入札」という。)に付する場合においては、政令の定めるところにより、契約の目的に応じ、予定価格の制限の範囲内で最高又は最低の価格をもって申込みをした者を契約の相手方とするものとする。ただし、普通地方公共団体の支出の原因となる契約については、政令の定めるところにより、予定価格の制限の範囲内の価格をもって申込みをした者のうち最低の価格をもって申込みをした者以外の者を契約の相手方とすることができる。
  3. 普通地方公共団体が競争入札につき入札保証金を納付させた場合において、落札者が契約を締結しないときは、その者の納付に係る入札保証金(政令の定めるところによりその納付に代えて提供された担保を含む。)は、当該普通地方公共団体に帰属するものとする。
  4. 普通地方公共団体が契約につき契約書を作成する場合においては、当該普通地方公共団体の長又はその委任を受けた者が契約の相手方とともに契約書に記名押印しなければ、当該契約は、確定しないものとする。
  5. 競争入札に加わろうとする者に必要な資格、競争入札における公告又は指名の方法、随意契約及びせり売りの手続その他契約の締結の方法に関し必要な事項は、政令でこれを定める。
◎地方自治法施行令(昭和22年5月3日政令第16号)
 (随意契約)
第167条の2 地方自治法第234条第2項の規定により随意契約によることができる場合は、次の各号に掲げる場合とする。
  • 一 売買、貸借、請負その他の契約でその予定価格(貸借の契約にあっては、予定賃貸借料の年額又は総額)が別表第5上欄に掲げる契約の種類に応じ同表下欄に定める額の範囲内において普通地方公共団体の規則で定める額を超えないものとするとき。
  • 二 不動産の買入れ又は借入れ、普通地方公共団体が必要とする
    物品の製造、修理、加工又は納入に使用させるため必要な物品の売払いその他の契約でその性質又は目的が競争入札に適しないものをするとき。
  • 緊急の必要により競争入札に付することができないとき。
  • 四 競争入札に付することが不利と認められるとき。
  • 五 時価に比して著しく有利な価格で契約を締結することができる見込みのあるとき。
  • 六 競争入札に付し入札者がないとき、又は再度の入札に付し落札者がないとき。
  • 七 落札者が契約を締結しないとき。
2.  前項第6号の規定により随意契約による場合は、契約保証金及び履行期限を除くほか、
  最初競争入札に付するときに定めた予定価格その他の条件を変更することができない。
3.  第1項第7号の規定により随意契約による場合は、落札金額の制限内でこれを行うものとし、かつ、
  履行期限を除くほか、最初競争入札に付するときに定めた条件を変更することができない。
4.  前2項の場合においては、予定価格又は落札金額を分割して計算することができるときに限り、
   当該価格又は金額の制限内で数人に分割して契約を締結することができる。

◎会計法(昭和22年3月31日法律第35号)
 (契約の方法、一般競争、指名競争、随意契約)
第29条の3 契約担当官及び支出負担行為担当官(以下「契約担当官等」という。)は、売買、貸借、請負その他の契約の締結をする場合においては、第3項及び第4項に規定する場合を除き、公告して申込みをさせることにより競争に付さなければならない。
      ②前項の競争に加わろうとする者に必要な資格及び同項の公告の方法その他同項の競争について必要な事項は、政令でこれを定める。
      ③ 契約の性質又は目的により競争に加わるべき者が少数で第1項の競争に付する必要がない場合及び同項の競争に付することが不利と認められる場合においては、政令の定めるところにより、指名競争に付するものとする。
      ④契約の性質又は目的が競争を許さない場合、緊急の必要により競争に付することができない場合及び競争に付することが不利と認められる場合においては、政令の定めるところにより、随意契約によるものとする。
      ⑤ 契約に係る予定価格が少額である場合その他政令で定める場合においては、第1項及び第3項の規定にかかわらず、政令の定めるところにより、指名競争に付し又は随意契約によることができる。

第3 随意契約における当協会の見解

 地方公共団体の、公嘱協会に対する公嘱業務の委託は随意契約によるべきであるとする根拠は、地方自治法施行令第167条の2第1項第2号にある「その性質又は目的が競争入札に適しないものとするとき」との規定であります。 これにより、公嘱協会の地方公共団体からの受託業務が、この要件に該当する理由として挙げられているのは、大きく分けると次のとおりです。
  1. 司法書士業務の専門性
  2. 公嘱協会の業務の専門的能力結合性
  3. 公嘱協会の公益法人性
  4. 司法書士法改正の際の国会における国会議員の発言
  5. 昭和62年3月20日の最高裁判所の判決
以下、その理由について説明いたします。
1  司法書士業務の専門性
不動産登記は、国民生活の基盤であるとともに、最も重要な財産である不動産をめぐる権利関係の状況を登記簿をもって正確に公示して不動産取引の安全を図らなければなりません。
 司法書士は、法務局が設置され、それ以来、登記の専門家として確固たる地位を築き上げ、その130年以上にわたる永い歴史の中で、登記申請手続の代理人として国民の信頼と支持を得てきました。
 このように見てくると、その業務の委託契約を地方公共団体が締結するにあたっては、ある程度価格の有利性を犠牲にしても、専門的業務の適正さ、迅速性を求めることが重視されるべきであります。よって、司法書士業務の委託については、一般的に競争入札には馴染まず、随意契約によるのが適当であるということがいえます。
2  公嘱協会の業務の専門的能力結合性
司法書士法68条に定める公共嘱託登記司法書士協会(略称:公嘱協会)とは、司法書士の専門的能力を結合して、いわゆる官公署等が行う不動産登記に関する登記の嘱託、又は申請の適正かつ迅速な実施に寄与することを目的とし、法務大臣の許可を得た民法上の公益法人として認められました。 公嘱協会の業務自体は、個々の司法書士業務そのものであるので、個々の司法書士業務と競合し得ますが、その個々の司法書士の有する専門的能力を結合して組織的に、適正かつ迅速に行うところにその存在意義があります。
したがって、公嘱協会と個々の司法書士との間に競争関係がないとはいえませんが、司法書士法が公嘱協会を設けた趣旨に照らしますと、公嘱登記業務のうち、司法書士の専門的能力を結合して適正かつ迅速に行う必要性の高いものについては、一般に随意契約によって公嘱協会に委託するのが適当であるといえます。
3  公嘱協会の公益法人生
公益法人を含む特定の団体との契約は随意契約によることができるとする「予算決算及び会計令99条16号」は、これらの団体は利益の追求を目的とするものではないところから、これらの団体との契約は競争入札に適さない場合が多いという考えによるものと思われます。しかし、地方公共団体とこれらの団体との契約締結は、すべて「その性質又は目的が競争入札に適さないものをするとき」に該当するとはいえない可能性があるので、結局は、これらの団体と個々の契約締結に当たっては、この要件に該当するかどうかを判断するほかはありません。
4  司法書士法改正の際の国会発言
昭和60年4月19日の衆議院法務委員会の審議において、山田英介議員が公嘱協会は随意契約が適しており、競争関係に立つことは不相当であるという政府見解があったことを次のように紹介されていることもこの問題を考えるに当たって参考になるといえる。 「少なくともこの時点では、この司法書士協会、調査士協会が発注官庁、官公署等との契約をするときに協議をしているということですから、随意契約的なものと予想されておった。それは、設立単位の所で一つであっても問題ないというご判断があったということも一つの証明になっていると私は思います。それから、昨年7月4日の枇杷田局長の国会における答弁『一つの会があるところに一つのそういった法人を置くということぐらいが』『公益性という面から申しましても適当』である。こういうご答弁にもはっきりとあらわれておりますように、随意契約あるいは公益性、そしてそれは一個でも問題はないし、むしろ一個で行った方がいろいろ都合がいい場合があるよというようなお考えがあったことは間違いございません。それからもう一つは、これは当時の第三課長でございます青山課長さんから、やはり昨年8月23日の打ち合わせ会のメモによれば、この協会は公益的であり、競争関係に立つことは不相当というご説明が明確になされているわけでございます。
5  最高裁判所昭和62年3月20日第二小法廷判決
地方自治法施行令第167条の2第1項の解釈適用について、最高裁判所昭和62年3月20日第二小法廷判決は、「普通地方公共団体が契約を締結するに当たり、競争入札の方法によることが不可能又は著しく困難とは言えないとしても、当該契約の目的、内容に相応する資力、信用、技術、経験等を有する相手方を選定して、その者との間で契約を締結するという方法をとるのが当該契約の性質に照らし、又はその目的を達成する上でより妥当であり、ひいては当該普通地方公共団体の利益の増進につながる場合には、右契約の締結は、地方自治法施行令第167条の2第1項第1号にいう『その性質又は目的が競争入札に適しないものをするとき』に該当する。」との判断を示した。そして同判決は、この要件に該当するかどうかの契約担当者の判断の裁量性については、「契約の公正及び価格の有利性を図ることを目的として普通地方公共団体の契約締結の方法に制限を加えている法令の趣旨を勘案し、個々具体的な契約ごとに、当該契約の種類、性質、内容、目的等諸般の事情を考慮して、その合理的な裁量に基づいて判断すべきものと解するのが相当である。」旨判示しています。
 国の締結する契約については、会計法第29条の3第4項及び第5項に基づく予算決算及び会計令第99条が、随意契約によることが出来る場合として25事案の場合を挙げており、それに該当すれば随意契約による業務委託が許されることは明らかであります。


第4 協会の損害賠償の保証と監督

1 協会の損害賠償の保証
当協会は万一の場合に備え、三井住友海上火災保険株式会社に次のような職業賠償責任保険に加入しております。
2 協会の監督
■協会に対する法務大臣の監督に関する法律
◎民法(明治29年法律第89号)
(法人の業務の監督)
第67条
  • 1 法人ノ業務ハ主務官庁ノ監督ニ属ス
  • 2 主務官庁ハ法人ニ対シ監督上必要ナル命令ヲ為スコトヲ得
  • 3 主務官庁ハ何時ニテモ職権ヲ以テ法人ノ業務及ヒ財産ノ状況ヲ検査スルコトヲ得

◎ 司法書士法施行規則(昭和53年12月5日法務省令第55号)
(協会の業務等の調査)
第50条

 法務局又は地方法務局の長は、その管轄区域内に設立された協会の業務の適正を確保するため必要があると認めるときは、協会の保存する事件簿その他の関係書類若しくは業務状況を調査し、又は当該法務局若しくは地方法務局の職員にこれをさせることができる。

2 法務局又は地方法務局の長は、前項の規定による調査の結果を、遅滞なく法務大臣に報告しなければならない。 ◎法務大臣の所管に属する公益法人の設立及び監督に関する規則(昭和52年10月1日法務省令第58号)

(趣旨)
第1条
 法務大臣の所管に属する公益法人(以下「公益法人」という。)の設立及び監督に関する手続は、別に定めるもののほか、この規則に定めるところによる。   (業務及び財産状況等の報告)  
第5条
 公益法人は、事業年度の始め(事業年度の定めのない公益法人にあっては、1月1日)から3月以内に、次に掲げる書類を法務大臣に提出しなければならない。   (以下要約)
  1. 前事業年度の事業結果の概要書と収支計算書
  2. 当該事業年度の事業計画の概要書と収支計算書
  3. 民法第51条第1項の規定により作成した前事業年度末の財産目録
  4. 社団法人の場合は、前事業年度における社員の移動状況書と当該事業年度始めの社員名簿


第5 その他

■公嘱協会制度と独禁法  

公嘱協会制度は、司法書士法68条以下に定められています。したがって、この法律制定の際に、他の法律に抵触するか否か、又は整合性は保たれているか等の検討は当然なされて法制化されているわけですから、独禁法に抵触する制度でないことは明らかです。これに関する国会審議の一部を紹介します。 

【関連法案審議の一部】 
第102国会 衆議院法務委員会会議録(抜粋)昭和60年4月12日
会議に付した要件 司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律

案(内閣提出第49号)
 質問:天野委員  
それに関係してですけれども、法務省としては独禁法との関係はご検討になられましたでしょうか。 

 答弁:枇杷田政府委員  独禁法との関係も検討はいたしました。そういうことから申しますと、この公益法人ができたからといって、公共事業関係の登記嘱託はほかの者ではできないというふうなことにしているわけではございません。むしろ、今までも個人で受けている者はそのまま続けられてもいいし、又、新しい個人の方が官公庁と話しをつけて仕事をするといっても別に差し支えない、そういう意味では全く排他的なものではありません。 それからまた、この公益法人自体も、結果として一つになるかもしれませんけれども、法律としては複数作ってはいけないというふうなことにしているわけでもございません。そういう意味で独禁法の関係からの問題はこの関係についてはないというふうに考えております。 

 ■独立行政法人と公共嘱託登記  

近年、国の行財政改革の一環として、国及びそれに準ずる組織であったものを組織改革により独立行政法人となった法人が数多くあります。それらの法人が「公共の利益となる事業を行う者」だからといって、当該法人の不動産に関する登記事件が即、公嘱協会の業務範囲に入るとは限りません。 

即ち、司法書士法第68条第1項の政令(司法書士法施行令第4条)で定める公共の利益となる事業を行う者に規定されなければなりません。 当協会及び当協会の上部団体は、このような独立行政法人は、従来は国及びそれに準ずる組織であったものであり、これまでは公嘱協会が登記業務を受託してきた経緯もあり、引き続き業務受託できるよう要望しております。 これに関する国会審議の一部を紹介します。

 【平成14年4月5日(金曜日)国会会議録より】
 ○ 石井委員  (前略)具体的な事項についてお尋ね致しますけれども、まず、土地家屋調査士会の関係でございますが、今回の改正案で調査士法人の設立を可能としているわけでございますけれども、既存の公共嘱託登記土地家屋調査士協会、この役割についてどういうふうに認識されているのか、これを確認いたしたいと思います。併せてこの公嘱協会については、官公署から受託するわけでございますけれども、今、行政改革等が進められておりまして、従来官庁だったところが独立行政法人等に移行するということがございます。独立行政法人など行政改革の進展に的確に対応するように、この点についても併せて確認致したいと思います。

 ○ 房村政府参考人   お答え申し上げます。まず、官公署その他政令で定める者が行う各種の公共事業につきましては、事業の性質上、不動産の登記の嘱託が大量かつ一時的に集中するということがございます。そのために専門的知識、技能を共有する土地家屋調査士が、公共嘱託登記土地家屋調査士協会という法人を作りまして、組織的にその嘱託登記事件を受託するということを法律上認めているわけでございます。 この土地家屋調査士法人の業務範囲というのは、土地家屋調査士の業務範囲と同様でございまして、公共嘱託登記に係る事件を受託することも可能ではあります。ただ、官公署が行う大規模な公共事業等に伴う不動産登記の嘱託については、大量かつ一時的に集中するということから、これらを適正迅速に処理できる組織力、信用力のある調査士法人が直ちに設立されるとは考えにくいわけでありまして、今後とも公共事業につきましては、調査士協会の果たす役割は変わらないものと考えております。 
 また、調査士法人も調査士協会の社員となることも認められておりますので、そのような調査士法人が調査士協会の社員に加わることによって、従前にも増して、調査士協会の業務が充実するのではないか、こう考えているところであります。 
 なお、独立行政法人に官公署が移行するという点につきましては、そういう動きもございます。これについては、独立行政法人が従前と変わらず大量に不動産の登記の嘱託を伴う公共事業等を行うということを業務の目的とするかどうかというようなことを判断し、適正迅速に対応していきたいというぐあいに考えております。